嘘カノ生活
 
「もしもし」

『あー、朝未ちゃん?』

「はい…どうしたんですか?夕菜は?」

『今家送ってきたとこ。ごめんねデート中邪魔して』

「や、それは大丈夫ですけど」 
 

 
あたしが言い終えると、俊介くんは夕菜を送ってきた帰りでまだ外にいるのか、鼻をすすってから言った。


 
『一応、けじめ。俺なりの。彼女に言わせっぱなしじゃなと思って』

「え?」

『…夕菜のこと、ごめんね』

「あ、いえ…二人が決めたなら。おめでとうございます」

『ありがとう。朝未ちゃんも頑張ってね。引続き見守ってるから』

「あ、はい」


 
俊介君が冗談交じりで笑ったからあたしもつられて笑った。

 
 
『話つってもそれぐらいなんだけどさ。あ、あと一個だけ聞いていい?』

「何ですか?あたしに答えられるなら」

『やー、呼び方強制させた俺が言うのもあれなんだけどさ。なんで朝未ちゃん、壮の事は"間宮さん"て呼ぶの?』

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