嘘カノ生活
「なに、俊介になんか言われた?」

「ち、ちがいます」

「ふーん…」 
 
「…あ、あの、本当に違くてですね」

 
繋ぎ繋ぎの言葉で嘘をついてみるけど、間宮さんにはそんなのお見通し、なんていわれてる様で。 
 


 
「…朝未、キスしよ」

「は?!」
 
「いーから、こっち来い」
 
 
いきなりそういいだした間宮さんは、眼鏡を外してベッドの方に歩いていく。 
 
 

「や…無理、です…」

拒否するのも精一杯で、顔が火照っていくのが自分でもわかる。

 

「拒否権なーし。早く来い」

と、両手を広げて来い、のポーズをする間宮さん。 
 
 
あたしは自分の制服のセーターの裾を握り締めて、間宮さんの所へと歩いた。
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