嘘カノ生活
「…やっ……」
必死にあがいても、やめようという気配もない。
ぎゅっと瞑っていた瞳を、恐る恐る開けてみると、そこにいるのはやっぱり間宮さん。
当たり前。
なのに、なのに。
間宮さんなのに、間宮さんじゃない。
いつもの、ちょっと意地悪で俺様で、だけど優しい、そんな間宮さんじゃない。
怖い、恐い、こわい。
男の人の、まして年上の人に抵抗なんて僅かなもので。
「やだっ…!」
制服のボタンに、手がかかった。
瞬間で、涙が出た。