嘘カノ生活
「俊介になんて言われたのか知らないけど」

「…」


しゃべるたびにかかる、吐息。

それが恥ずかしくてあたしの頬を紅潮させる。
 
 
「キス以上の事、したくない訳じゃないけど。むしろできればしたいけど。お前がいいって言うまで待つから、さっきみたいにあんま警戒すんな」

 
間宮さんはあたしの零れた涙を親指で拭いながら、低めの声で言った。 
 

「はい…」

 
怖くない、全然。

待つよ、と言ってくれた間宮さんは、いつもの間宮さんだった。
 
  

「でも、泣かせたのはごめん。怖かった?」

「ちょっと…。でも大丈夫です」

「ん、良かった。…でも、出来れば心の準備は早めで頼む、な」

 
なんて笑って言うから、あたしもふふふと笑った。



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