嘘カノ生活
「すいません…話、後でも良いですか?」

「いや、また今度でいいよ。忙しいんだろ?家事とか」

「はい…」

「俺いちゃ邪魔になるだけだし、今日は帰るわ」
 

 
立ち上がって帰る準備を始める間宮さん。

帰ってほしくない、まだいてほしいと思った。
 
 

「あの、良かったらご飯、食べていきます?」

「俺は嬉しいけど、一人分増えんぞ?」

「今さら一人増えたところで変わりませんよー。

 弟ができたと思っておきます」

「…そりゃどうも」
 
 

さっきのあたしに対しての子ども扱いの仕返しに、軽い嫌味を笑いながら言って、二人で台所に向かった。 
< 180 / 321 >

この作品をシェア

pagetop