嘘カノ生活
 
「間宮さんは兄弟とかいないんですか?」

「…んー。兄ちゃんいるよ」

「あ、意外です。見てみたいな」

「じゃあ今度実家来いよ、俺の親に挨拶も兼ねてな」

「ふふ、はい」



笑って言うから、あたしも笑って返した。

寒いはずなのに、間宮さんといるとそこまで寒さは気にならない。 
 


「んじゃ、行くよ」

「あ、はい。気をつけて帰ってくださいね」

「ば―か。襲われねえよ」

 
 
また、笑顔。

先ほどから笑顔が多い。

少しでも元気になってくれたんだろうか。


 
「朝未、好きだよ」

そういって別れ際、最後のキスをした。

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