嘘カノ生活
「朝未、今日も間宮さん来るの?」
「…あ、うん。今日は駅前で待ち合わせてる」
「あそ。ラブラブで羨ましいです事」
「あはは。夕菜こそ」
最低だ、最低だ、あたし。
いくら心配かけるなんていっても、そんなのただの屁理屈だった。
まだ、信じたい。
今はなかなか会ってくれないけど、そのうち何もなかったように間宮さんといられる日が来るのを信じていたい。
あたしの、わがままだった。
「じゃあばいばい」
「また明日ね」
そう言って、学校を出た。
夕菜には間宮さんと待ち合わせているなんて言ったけど、もちろんそんなの嘘で。
家に帰ろうと、駅へ向かった。
ただ駅までの道のりはもう、間宮さんとの思い出でいっぱいだったから、歩くのは少し辛い。