嘘カノ生活
ふと、1番最初に、初めて間宮さんとデートしたゲームセンターへ続く信号が視界に入った。
まだ、あたしが嘘の彼女だった頃。
無理やり、だった頃。
今はもう、願っても一緒に居られないのに。
「…あ」
その信号が点滅し始めたとき、思い出したことがあった。
点滅する信号をよそに歩道を渡ろうとした時の、間宮さんの真剣な表情。
少し怒っていた。
それがどうしてかなんて、今はもう知る術もないけれど。
その歩道をわたってから10分ほどすると駅に到着した。
切符を買ってホームに行くとタイミングよく来ていた電車に乗り、家に帰った。