嘘カノ生活
電車に揺られ、あたしは心地いい振動の中考えていた。

 

幸せだったから、

幸せ過ぎたから、

こんなにも早く壊れてしまったんだろうか。

こんなにもすぐに壊れるほど脆い恋愛だったんだろうか。

もっと深くつながっていたと思っていたのは、

…あたしだけだったんだろうか。
 

 
思い始めたらキリがなくて、こんなんじゃダメだなと考えるのをやめた。 
 
 
 
だけどその時点で、降りるはずの駅をひとつ通りすぎていることに気づいた。 
 
まあ良いか、なんて思ってあたしはその駅で降りて

精算してから外へ出る。

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