嘘カノ生活
嫌なことがひとつあると、それは続くもので。
今のあたしには、対抗する気力さえなかった。
間宮さんがいない、それだけでこんなにも自分が違う。
「ねー、なんにも喋んないんだけどコイツ」
「お前と違って清楚っぽいもんなーこのコ」
「うわウゼー!」
女はもう1度ケタケタと甲高い声でで笑った。
泣いたらダメ。
グッと下唇を噛んだ。
あたしは逃げようと思って、駆け足でその場を去ろうとした。
けれどそんなの直ぐに男たちに取り押さえられてしまう。
「逃げんなよー。遊ぼうぜ」
つかまれた腕が痛い。
男は妖しく笑うと、腕を引っ張り元居た場所にあっさりとあたしを引き戻した。
回りに人が居ないわけじゃない。
多くはないけれど、時折人が通り過ぎる。
見てみぬフリ、なんだろう。
助けようと思う人が居る訳もなかった。