嘘カノ生活
あたしを見下ろしていたのは、関谷だった。
この寒い冬の中何故かセーターを腕まくりしていて、息も少し上がり気味。
「あ、関谷…」
「うっす。どうしたんだよこんなとこ座り込んで」
「せ、関谷こそなんでそんな格好…?」
声は震えていなかっただろうか。
裏返らなかっただけ良かったと思った。
「俺の家、ここ通ると近いんだ。今まで公園でバスケしてて、あちーのあちーの」
「あ、そうなんだ…」
そういえば向こうの公園バスケをしている人が居るのを見たな、と思ってから急に安堵感がやってくる。
知り合いに会ったから?
けれどそれあたしにとって不都合だった。