嘘カノ生活
「夕菜、帰ろー」
放課後、HRが終わってあたしは夕菜のところまで行く。
朝あんな風な事があっても、すぐに元通りの夕菜になっていつもと変わらない日だった。
「朝未、大学行くよ。間宮さんとこ」
「え?」
「え?じゃないじゃん。ちゃんと話し合わないと」
お昼頃、あたしが
"間宮さんとの事、はっきりさせたいけど…"
なんて言ったからだろうか。
いや、そうじゃなくても夕菜はきっと行動に移していた。
あたしの為を思って。
けれど急にそんなことを言われたって、うんとは言えない。
心の準備だってまだすんでいないのだから。
「無理!」
「じゃない。今言いに行かなくたって、どうせ先延ばしになるだけなんだし」
「だって…」
「だめ」
「いや!」
「行くよ」
「やだ!」