嘘カノ生活


確かに、先延ばしになるだけかもしれない。

けれどそれでも、今は勇気が出ない。

 
あたしが強情に断り続けると、夕菜は今日2回目のため息をついて言った。
 
 
 
「あのね。あたしはあんたの為を思って…」

「わかってるよ?わかってるけど…」



勇気が出ないのが悔しくて、下唇を噛む。

だって言って話し合っても、それは別れにつながる道で。

別れにいくようなものだった。
 
 

「怖いんだよ…」

 
それが、今の気持ちで。
 


 
夕菜は、今日3回目のため息をついた。 
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