嘘カノ生活
 

夕菜のその言葉を聞いて、素っ頓狂な言葉を上げる。

 
だって、あたしと間宮さんは、もう2ヶ月会っていない。

いや、もうすぐ3ヶ月になる。

それなのに、2週間前の俊介君の言葉。

"朝未と毎日会ってる"?


間宮さんのしたい事が全然わからない。
 
期待できるような事?

それとも他に何かあるんだろうか。 
 
 
 
「そんなの…ありえないよ。だって」

「会ってないんでしょ?」

「うん…」

 
 
本当に予想外な言葉。

それから予想出来る事が、何一つ無い。

否、ありすぎる。


間宮さんは何の為にあたしを利用してる?

間宮さんはまだあたしを傍においておきたいの?

間宮さんとあたしは、すれ違っているだけ?

別れ話さえも面倒なだけ?



「確かめに行こ?間宮さんのとこに」

「確かめに…」

「このまま自然消滅なんてあたしが許さないし、何か他にあるかもしれないし」

 
 
会いに行くのは怖い。

けれど、夕菜の言っていることが気になるのも本当だ。

 
今のこの、もやもやした気持ちと、心拍数。

それを鎮めるために静めるためには、行くしかない。

 
 
「…ん、行く。会いに」

 
会って、話をしに。


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