嘘カノ生活
 
 
「…ていうかそもそも、どうして間宮さんはああなっちゃったんですか?」

 
その沈黙を静かに破ったのは、夕菜だった。

俊介くんは夕菜の方に顔を向けて言う。

 
「"ああ"って?」

「だから、朝未に出会う前。女癖悪かったんでしょ?」

「あー…」

「理由とかあるの?それとも、そういう性格だった?」

「んー」  
 
 

夕菜の質問に、俊介くんは曖昧に返事をする。
 
あたしなりに考えても、間宮さんの過去を何も知らない。

それを思い知らされるだけだった。
 
 
 
「性格、とかじゃないと思うよ」

「朝未に言えない様な事?」
 
「や、そういうんじゃなくてさ」

「じゃあ言って」



押しの強い夕菜に負けた俊介くんは、仕方ない様子で喋り始めた。


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