嘘カノ生活
 
 
「会いたいって…行くの?」

 

そう言った後、夕菜は驚いたように聞き返した。

あたしはそれにうんと頷いて立ち上がり、鞄の上に置いていたブレザーに袖を通す。
 
  
 
ここに来る途中、俊介くんが間宮さんに電話をすると、家にいると答えた。

ここから間宮さんの家までそう遠くはない。



「じゃ、行くね。俊介くんごちそうさまでした」



あたしが準備を終えると、夕菜と俊介くんは心配そうな顔をした。

あたしはそれになるべく笑顔で答えると、玄関へ向かう。

 
 
「なにかあったら連絡してよ?」

「ん」

 

玄関で2人に見送られて、あたしは俊介くんの家をでた。


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