嘘カノ生活
それからしばらくして、間宮さんの両親が病院に到着した。

間宮さんの入院手続きを済ませた後、両親は俊介くんに話し掛ける。

あたしは俊介くんの隣で会話を聞きながら、本当に整った顔立ちだな、と思っていた。


40代ぐらいであろう女の人、間宮さんのお母さん。

その年齢を感じさせない程綺麗で、尚且つ上品に喋る人で。

隣にいる男の人を見て、間宮さんはお父さん似なんだな、と思った。


　
「久しぶりね俊介くん。連絡本当にありがとう」


　
あたしがそんな風に思っていると、2人は俊介くんに頭を下げる。

ここに向かっている途中に俊介くんは手術の成功を知らせていた。

そのせいだろうか、2人は悲しい顔は特にしていない。

ただ顔に出していないだけで、心ではすごく動揺していたのかもしれないけれど。
　
　
　
「あ、いえ…。俺はただ連絡しただけです。いろいろ応急処置したの、この子ですよ」

　
　
俊介くんは控えめに手を振り、あたしの背中を押した。

その反動で軽く一歩前へでると、間宮さんの両親は視線をあたしに向けた。　
　
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表紙・目次

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