嘘カノ生活
思うと、病室を出た直ぐ横のソファで肩を揺らして笑っている俊介くん。

さすがにそれにはびっくりして、思わず声をあげた。



「え?!起きてたんですか?」

「そうだねー。枕が違うと安心して寝れない繊細な俺だからね」

「はあ…ていうか、いつから居たんですか?」

「うーん、壮が俺自身に今回の事を説明する必要がなくなるくらいから?」

「つまり、最初からですか」

「まーね。あ、でもいちゃついてるシーンは見てないから安心して」

 

ああ、そう言ってる時点で見てるんですね。

その言葉を恥ずかしさと一緒に飲み込むと、俊介くんを中に案内した。


中にいる間宮さんにも会話は聞こえていたようで、露骨に嫌そうな顔を向けていた。

そんな様子を見て意地悪そうに笑う俊介くんは、あたしが座っていたパイプ椅子に腰掛ける。

 
 
「よーよー壮ちゃん。俺にはなんも話してくんないの、寂しいぞ」

「……」

「こんなに心配かけといて!
 朝未ちゃんに事情聞いたときはもう俺倒れるかと思いましたよ」

「…ん」

「え、なーに?」

 

良く喋る俊介くんとは対照的に、間宮さんは相変わらず嫌そうな顔。
 
"壮ちゃん”なんて呼ばれたらいつも怒っていたけど、そのいつもとは少し違う感じがした。
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