嘘カノ生活
「なに、眠い?」
「…すいません、心地よくて。でも大丈夫です」
「お前って赤ちゃんみたいだよなー」
「それってどういう…」
良い意味に捉える事が出来なくて、
小さく欠伸を1つしたあと目尻の涙を拭きながら訊ねる。
すると間宮さんは、はははと笑ってあたしの頬に触れる。
以前から間宮さんは良くあたしの頭だとか顔に触れていたけれど、
今日のその手はいつもよりも感情と熱が多くこもっている気がした。
「なんか、全部。体温高いし、良く寝るし、柔らかいし」
あたしの頬をつまみながら間宮さんはそう言った。
あたしが喜んで良いのかわからずにいると、
「お前と居るとすげえ落ち着くんだ」と笑った。
嬉しくてあたしも笑うと、あたしの頬をつまんでいた間宮さんの手は、
今度はその大きな手で頬を包み込む。
「あたしも、落ち着きます」
目を合わせて笑い合う。
それから、ふと真剣な顔つきで間宮さんは親指をゆっくりあたしの唇へとなぞらせた。
急にそんなに真剣になるから、どうしたら良いかわからなくなってしまう。
相変わらず目は合ったままだ。