嘘カノ生活

「そ、そんなに笑わなくても良いじゃないですか！」



けれど間宮さんは何をしても聞く耳を持たず、1人苦しそうに笑っている。

だんだん悔しくなって、あたしは間宮さんに背を向けた。



「もう良いです」

「ご、ごめんって…」



ひいひいと息を整えて間宮さんは謝るけれど、

本当にそう思っているのかどうかなんて直ぐ分かる。

だからあたしはそれには振り向かず、答えもしない。

しばらくして間宮さんの笑いが収まっても、あたしはそのままでいた。


　
「朝未ー、こっち向いてよ」

「…」

「ごめんて」

「…あんなに笑っておいて、今更です」



かたくなに背を向けるあたしに痺れを切らしたのか、背中に温かい感触が伝わる。

「拗ねるなよ」と言う声とともに、後から緩く抱き寄せられた。