嘘カノ生活


「珍しいじゃん」



普段あたしからこんな風にすることはなかったから、間宮さんが驚いた表情を見せる。



「そうですか?でもこうしてた方が緊張がとけるでしょ」

「あ、そう。じゃあもうちっとだけといてよ」



2人並んで歩いていると、急に間宮さんがあたしの肩を抱き唇に軽いキスをする。

それは一瞬だけ触れて、直ぐに肩を抱いていた手は離れてまた手を握る。 
 
 

「あー、緊張とけたとけた」

「…ちょっと。本当に緊張してるんですか」

「してるしてるー」

「……」

 
 
まったく、本当にしょうがないなあ。

そうは思うけれど、でもやっぱり嬉しくて口元が緩む。



「じゃ、行くか」

「はい」



握ったこの手を、もう二度と離したくない。

すっとずっと、2人並んでがいい。

ずっとずっと、あたしには間宮さんだけ。


大好きです。


そんなことを思いながら、間宮さんと2人、歩き始めた。



 


 

終.



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