嘘カノ生活
SIDE:ASAMI

 
 
間宮さんは電話にも出てくれなかった。

怒ってるに決まってる。

 
「そりゃそっか…」

間宮さん誤解しましたよね。

  
 
 
どうしようもない想い。

元に戻れるのか不安で。

ばかみたいなすれ違いの先に、何があるんだろうか。




けれど、それで終わりにするのはいやだ。

だから言う。
 
 
 
「おはようございます」

「おはよう朝未ちゃん。今日は間宮君先に来てたよ」

「あー、まあ…」
 
 
店長のどうでもいいおせっかいを流して、更衣室に入った。

 
「ていうか、会っちゃうじゃん」



バイトが同じなら、会わないはずがない。

あたしは会いたいけど、間宮さんは違う。

それが余計に重く感じた。
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