嘘カノ生活
「じゃあ今人少ないし、朝未ちゃん間宮くんとホールね」

「は?!」

 
店長が言った意味のわからない言葉。

よりによってどうして間宮さんと。


気まずい、気まず過ぎる。

間宮さんはもうすでにホールで仕事をしていた。



「あの、店長なんで2人だけでホールって…」
 

動揺したあたしに、店長はウインクをして言った。


「仲直り頑張っちゃいなよ朝未ちゃん!」

親指を立てて、あたしに向ける店長。

…なんておせっかいなんだろう。
 
 
 
それでも嫌々仕事を始めた。

 
「おまたせいたしました、こちらハンバーグセットになります」

"笑顔で接客"がモットーのSASAKI。

こんな時に、笑顔で居るのは難しかったけれど。



さっきちらっと見た間宮さんは、いつもどおりの笑顔で接客をしていた。

あんなことがあったなんて思わせないくらいの笑顔。

 
 
間宮さんにとって、大した事じゃなかった。

そう痛感させられて、悲しかった。
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