嘘カノ生活

　

　


うん、好きだよと。

肯定したその言葉は、すっとあたしの胸に降りてきた。

　
　
…なんだ。

……なんだ、そっか。

　
まだ、好きだ。

忘れようと思っても、好きなんだ。

忘れるなんて、無理なんだ。

　

「…て、関谷？」

ちょっと黙り込んで、そしてまたいつもの笑顔に戻った関谷。
　



「んでもねーよっ!ちょっとぐさっときただけ」

「え?」

「自分から聞いといてなんだけど。そんなストレートに好きって言われちゃうと、な」

「あ…えと、ごめん…」

「はは、良いって、気にすんな!」

　
いつもどおりの笑顔で話す関谷。

でも、それがどれだけ辛いか知ってる。

経験してるから。　
　
　
それでもあたしの為を思ってくれていることに、ありがとうと、関谷に聞こえないの大きさで呟いた。