嘘カノ生活
直ぐにわかる間宮さんの声。

久しぶりに聞いた。 

あの日から一度も喋ってなかった。 



久しぶりの間宮さんの声は、

あたしの緊張をさらに上げた。 
 
 


「も、もしもし…」
 
『…柏木?』

「あ…、はい、そうです」

『何?』
 
 
間宮さんは明らかに冷たい態度で。

心が錘をつけたみたいに重くなった。 
 
また、心が痛みそう。

こんな思い、したくはないのに。 
 
 
 
「あの…っ、今日会えませんか?」

それでも会いたいが為に必死にしがみついて。



『でも、お前これからバイトだろ?』

何度も振り落とされそうになる。 
 
 

けれど覚えていてくれた。

あたしが今日、SASAKIでバイトって事。

そんな些細の事でも、嬉しくて。
 
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