嘘カノ生活
思うより、行動が先に出てて。

言葉じゃ、思いの全てが伝わらないような気がした。

 
だから。

だから唇がほんのり触れる程度のキス。 
 
 
 
 
ほんの5秒ぐらいだったけど、あたしには永遠にも感じられた。
 
びっくり顔の間宮さん。

けれどあたしは唇をゆっくり離して、もう一度言った。 
 
  
 
「好きな人にしか、しませんよ?」 
 
 
 
珍しくふふふと笑うあたし。

びっくり顔がまだ直らない間宮さん。 
 
 
 


「お…まえ、なんだよもー…」

だんだんと真っ赤になっていく間宮さんの顔。

こんな間宮さん、初めて見る。



もっとずっと見ていたくて、笑いながら間宮さんを見つめた。 


耳までゆでダコのように真っ赤で。




おもしろくて。

可愛くて。
 
 
 
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