嘘カノ生活
「…おい、お前熱上がってんだろ」 
 
 
握っていた手から熱が伝わったのか、間宮さんは言った。 
 



「あ、はは…」
 
「笑ってごまかすんじゃねえよ。寝ろ」
 
「で、でもせっかく間宮さんといれるのに…」
 

 
なんて。

あたしは何柄でもないことを呟いてるんだろう。
 
その言葉を放ってから気づく恥ずかしさ。

 
「すいません、今のは…」

 
熱い顔を必死で隠して否定しようとしたら、間宮さんは悪戯な笑みを浮かべた。 
  
 


 
「へえ。起きててお前は俺に襲われたいのかな?」 
 
「寝ます!今すぐ寝ます速攻で寝ます!!」 
 
「そうしろ。寝てる方がまだ罪悪感てのがあるんだよ」 

「罪悪感って…。寝てる間に何かしたら嫌いになりますよ?」 
 
「はいはい」

 

あたしは再びクックッと笑う間宮さんに背を向けて

思いっきり布団をかぶった。
 


  
 
 
「おやすみ」
 
「おやすみなさい」
 
 
午後7時とちょっと。

あたしは、間宮さんの部屋で眠った。
< 82 / 321 >

この作品をシェア

pagetop