嘘カノ生活


帰り道。
 

 
今日はお昼からの5時間だけだったから、今は夕方の5時。

そして何故かあたしの隣には間宮さん。



「朝未ー、どっか寄ってく?」



彼氏としての間宮さん。



「…ありえない」

「ん?聞こえないー」
 


なんでごく普通のあたしが、こんなよく知りもしない大学生なんかと。
 
ていうか大学生の癖してなんていう性格をしているんだろう。
 


「間宮さん、あたしの事好きな訳じゃないんですよね?なんで付き合うとかって…」



あたしがそう尋ねると、間宮さんは急に真面目な顔になった。



「本当はずっと、朝未が好きだったから」



そしてそう言って間宮さんの顔があたしの顔に近づいてくる。

いつのまにか肩を捕まれて、逃げようにも動けない。


近い、近いです!

そう思うけれど声にはだせず目をつむってしまう。



「ま…、待って待って待って!」



< 9 / 321 >

この作品をシェア

pagetop