嘘カノ生活

***

「じゃあ、今日もバイト頑張って」

「うん、ありがと。ばいばい夕菜」
 
 
なんだかんだで今日の授業は全て終わり。

HRも終わって、あたしはバイトに行くために間宮さんに電話した。

プルル…とコール音がなって、数秒で声が聞こえる。



『もしもし朝未?』

「あ、はい。学校終わりましたー」

『わりーけど、俺まだ講義終わんねんだ。朝未、俺の大学まで来れる?』
 
 
大学…。

確か間宮さんの大学は、電車乗ってすぐのところ。

今は3時30分。
 
あたしは、どうせバイトまでしばらく時間あるし、行く事にした。
 


「わかりました。門で待ってますね」

『おう、悪いな!じゃ、またあとで!』

そう言って、電話を切った。
 
 
 
「大学かあ…」

よく考えてみれば、間宮さんは大学生で。

あたしより2つ年上。

2歳差なんて普通かもしれないけれど、あたしにとって大学生は特別に見えた。

キャンパスライフ、楽しいだろうな。

間宮さんモテるし…。


いくらそんな風に考えても、あたしは高校生で。
 
 


駅まで、歩き始めた。

< 93 / 321 >

この作品をシェア

pagetop