嘘カノ生活
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「じゃあ、今日もバイト頑張って」
「うん、ありがと。ばいばい夕菜」
なんだかんだで今日の授業は全て終わり。
HRも終わって、あたしはバイトに行くために間宮さんに電話した。
プルル…とコール音がなって、数秒で声が聞こえる。
『もしもし朝未?』
「あ、はい。学校終わりましたー」
『わりーけど、俺まだ講義終わんねんだ。朝未、俺の大学まで来れる?』
大学…。
確か間宮さんの大学は、電車乗ってすぐのところ。
今は3時30分。
あたしは、どうせバイトまでしばらく時間あるし、行く事にした。
「わかりました。門で待ってますね」
『おう、悪いな!じゃ、またあとで!』
そう言って、電話を切った。
「大学かあ…」
よく考えてみれば、間宮さんは大学生で。
あたしより2つ年上。
2歳差なんて普通かもしれないけれど、あたしにとって大学生は特別に見えた。
キャンパスライフ、楽しいだろうな。
間宮さんモテるし…。
いくらそんな風に考えても、あたしは高校生で。
駅まで、歩き始めた。