嘘カノ生活
電車で3駅。

ガタゴトと揺られてきたのは、間宮さんの通っている文系大学。

 

「門って…」

見上げると、一番上が見えないっておほど大きな門。

場所は知ってたものの、来た事はなかったから。
 
こんな立派な大学だとは正直思わなかった。



「待ってれば、良いんだよね…?」

不安になりながらも、門に寄りかかって間宮さんを待つことにした。

もう講義が終わった人も居るのか、ちらほらと帰る人の姿。

 
………。



門に寄りかかって、5分程経過。

気のせいかもしれないけど、大量の視線を感じる。


どこかおかしいところがあるのかな、と確認してみるけど、特にそんなところはなかった。


あたし、ここに来ちゃいけなかったんだろうか。

でも、間宮さんが来てって…

 
 
気になって、気になって。


「…帰りたい」

そう思いながら、さらに10分、20分。
< 94 / 321 >

この作品をシェア

pagetop