届かぬ出ぬ声。
始まりと出会い

揺れ動く年頃

麗子SIDE
自分の思いも口に出せず・・・
だけど大人には堂々と冷め切ったことを言える。
不思議な高校生。大人には一生なりたくない・・・
大人は汚いもん。
私はどうしてこんな考えになったんだろう・・・
そうだ。あれが原因だったんだ。
大切な人。それを奪ったのは大人達だった。
大人なんてそれ以来信じられなくなった。
人を責め立てて簡単に殺してしまう・・・
大人なんて命の重さを知らない無知なものだ。
そんな大人を私は責めることができない。
だって、私もそうなるでしょ?

優雅SIDE
大人なんて単なる利用道具じゃん。
いつしかそう思う自分が居て。
自己嫌悪に陥った・・・。大丈夫じゃなかった。
淋しかった・・・誰かに心の冷たさを取り除いて貰いたかった。
大人の愛しか自分を助けてはくれないとは思った。
愛し方を教えて欲しい・・・愛せない、人に愛されたい。
嫌だよ。もう生きていくのも辛いんだよ?
私は何を思ってるのかな。もう嫌だ。
こう言うときに自己嫌悪に陥る。
人を好きになっても私は何も出来なかったでしょ?
好きなのに切ないよ。そう思うしかなかった。
どうしたら伝わるのかどうしたら良いのか分からなかった。
好きだから何も出来なかったんだ。
心が必ずすれ違ってしまうから。
もう本当に生きている価値が分からないよぉ。
心のすれ違いってどうしたら止まるんだろう。
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