届かぬ出ぬ声。
「あの・・・憐さん。そこは・・・。」
そういって私の言葉を無視して憐さんは涙を流した。
ただその姿はナヨナヨしているというよりも。
とってもいとおしく見えて。
あぁ重傷だなって思った。
「優雅ちゃーん・・・俺もうダメかもしんない。」
そう嘆く憐さんが可愛く見えた。
普通の男の子の用で。
可愛くて愛しく思えた。
片思いなのに凄く好きになった。
「憐さん?何かあったんですか?」
「カウンセラー失格だぅお・・・」
泣いて日本語をしゃべれてなかった。
「ちりんちりん・・・」
お店に誰かが入ってきた音がした。
「憐君!!!お店に戻ってよ。」
「だってぇえぇ俺じゃぁぁ・・・」
「あなたが居ないと困るのよ!!」
今日は如月さんが怒っていた。
だけど憐さんも負けじと反抗中。
まるで小学生のけんかみたい。
私はふふっと微笑んでしまった。
ぐだぐだ言いながら如月さんに反抗していた。
「お店2日も休ませる気?」
そう言った如月さんは何となく嬉しそうだった。
「休みましょーよ。」
私と睦月さんの声がかぶった。
睦月さんがニコニコの笑顔でそう言った。

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