届かぬ出ぬ声。
麗子SIDE
このさめた気持ち。それをどうしようもできなくて。
友達にうち明けてみた。友達の態度は明らか。
友達の態度はとても冷たかった。
「麗子ってただのつまんない人間なんじゃん。」
そういってあざ笑う態度。
醜いのは大人だけじゃないんだね。
ふざけるなよ。ヒドイよ。友達なんてそんなモノ?
大人に問いかけてみたって。
答えてくれないでしょ。私を助けてくれる人を探し続けた。
大人は優しく手を差し伸べるふりをしていただけ。

実際は自己防衛。自分が傷つきたくないから。
自分をいい人にしたいから。偽善者。

それが何だって言うの?
それが今の世の中では当たり前。
「麗子?どうしたのぉ?降りてきなさーい。お友達が来てるわよ。」
ふと考えていたときに聞こえる呑気な母の声。
だから何よ。内心のイライラを抑え込む。
人に自分の意見をぶつけられない私はどうしたらいいのだろうか?
しょうがなく下に降りていくしかなかった。
「麗子久しぶり!!!会いたかったよ。」
「あっ結恵。久しぶりだねぇ~。遊びに行こうかぁ。」
「ごめんね。今日は親の仕事に付き合ってきたから・・・」
「時間ないんだぁ?それなのに来てくれてありがと。」
心にも無いことを言う。
ねぇいつから私はこんなになったんだろうね?
人前で涙も流せない。人を好きになっても甘えられない。
どうしたら元に戻れるのかな。
ゲームみたいに全てがリセットできればいいのに。
「じゃあ。行くね。」
「バイバイ。またねぇ~。」
何しに来たのよ?一言交わしてさっさと友達は帰った。
もう良いよ。さぁどこかに出かけよう。
「お母さん私少し出かけてくるね。」
そう言って私は家を出た。
どこに行くとかは考えていなかったけど、
家が自分の居場所じゃないって思ったから。
胸が痛くなった。
適当に歩いていたら人にぶつかってしまった。
「すいません!!」
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