届かぬ出ぬ声。
私の目からは雫がこぼれ落ちて。
最近涙もろくなった気がする。
すっごく睦月にとって重い女だよね。
「ごめんね。麗子・・・大丈夫だよ。俺は絶対別れないから。泣かないで?笑ってて欲しいんだ。麗子の笑顔好きだから。」
優しく私をあやす睦月のことを思ったらなおさら惨めになって。
だけど睦月は私を慰めようと必死だった。
私のおでこにそっとキスをして抱きしめてくれた。
そうやってもらえると安心できて涙が止まった。
「うん。」
そう言って笑顔を作ってみた・・・けど、やっぱり不安。
恐くて振られるンじゃないかって。
いつからこんなに作り笑顔下手になったんだろう。
「へぇ~。熱々何だぁ・・・睦月1人で死にかけてたのにね。あのときは、良かったね愛せる人が出来て。もう、あのときみたいにはならないでしょ?」
「あのとき?」
睦月の過去を知りたくなった。
睦月と出会ったときそう言えば変なこと言ってた。
『血って危険なんだよ』って言ってたよね。
何かあったのかな?
睦月は昔何をしてたの?なんでこんな店開いたの?
だけど私には言ってくれない。
入る隙間もないんだ。
「何でもないよ。麗子に余計なこと言わないで・・・心配させたくないんだよ。大丈夫だから。過去の事は忘れたいんだ。」
「うん。じゃあ聞かない。」
そうやって素直に引いたふりしたけど・・・やだ。
気になるよ。うやむやにできる分けないでしょ?
憐さんなら教えてくれるかもしんない。
「憐さん・・・メアド教えてください。」
「あぁ良いよ。」
赤外線で憐さんのメアドを教えて貰った。
憐さんならきっとこのことを教えてくれる。
「海とかの事話したいですし。」
「そーだね。俺たちもう帰るよ。」
「また後でメールしますね。」
< 23 / 53 >

この作品をシェア

pagetop