届かぬ出ぬ声。
憐の嘘は私はすぐ見破れる。何かあった。
憐だって、目が真っ赤だったよ?
泣きそうで泣きそうでひどかったよ。
「ほほ、本当だよ?」
動揺してるの見え見えだよ・・・
心配されたくないからって嘘はつかないで欲しい。
「何か悩み事があるならいって欲しい。」
「何もないよ・・・」
「海行こう!!!!気分がスッキリするよ。」
そう言って私は海に連れて行って貰った。
夜の海も綺麗だった。
それよりも憐と一緒に入れるだけでしあわせだった。
「綺麗だねぇ~。」
「うん。それよりも何も何があったの?」
憐は自分のことを何も言わないで私の事を聞いてきた。
「親に怒られちゃった。あんたはどうしようもない子だ。とか言われて悲しくて・・・」
そう言って少し涙が零れてしまった。
「親は親なりに優雅のことを考えてくれてるんだよ。だからそんなこと言っちゃだめだよ。」
「憐は何があったの?」
憐はその後無言で私の事を抱きしめてきた。
「悲しいことあったんだ?」
それ以上私は何も聞かずにただ憐を抱きしめていた。
「大丈夫だよ。大丈夫だよ。」
そう言って私は憐の頭を撫でていた。
憐はまるで子供の様にわーわー泣きわめいた。
可愛く見えてしまった。
「キスさせて。」
憐がいきなりそんなこと言うなんて思っても見なかった。
「良いよ。」
そう言って自分からキスをした。
長い長いキス。永遠に続くかなってくらい長いキス。
愛し合ってる二人の誓いのキス。
「愛してる。」
「私もだよ。」
そう言って愛を確かめ合った。
海での私達の記念。
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