届かぬ出ぬ声。
はまってゆく者。

疑いと過ち

麗子SIDE
学校で友達と仲良く話していると、メールが来た。
[今日は暇学校終わったら店に来て。]
けど、今日は少し事情があっていけなかった。
睦月に作ってしまった秘密。
「麗子ちゃん?今日いいんでしょ?」
「うん。」
同い年の男子と遊びに行く。
だって、恐くなって溜まらなくてだけどどうしようもなかったから。
現実逃避かな?
だって如月さんがどんな思いで睦月を引き留めてるのかわからない。
[今日は無理だ・・・ごめんね。]
心にも思ってない事をメールで伝えるのはとても簡単だった。
「麗子ちゃん本当に彼氏居ないの?」
男にだいたい言われる質問。
睦月にも言っちゃだめって言われてるから友達にも嘘つき続けてるから全然慣れた。
「居ないよ~。出来ないんだよね~。」
睦月の元カノが気になって気になって仕方がなかった。
未だに関係があるんじゃないかな。
って大人をまた信じられなくて。嫌いだった。
大人なんてどうせ信用できない。
またそう思い始めていた。
「それなら俺と付き合おうよ~。」
「遊んでみてね~。なんか好みのタイプか分からないし。」
弱い女の子を演じればいいの?
睦月は他の男と会ってたら嫉妬するかな?
ねぇ・・・
好きだよ。睦月・・・けど不安を押さえきれなくて。
ごめんね・・・
「じゃあさ今日行きたいところある?」
「特に無いなぁ・・・」
「じゃあ行きつけのカフェ連れて行ってあげる。」
「ホント?楽しみ・・・」
何気なく返事しただけのおつきあい・・・
絶対睦月以外に振り向くつもりはない。

授業も頭の中に入らなくて・・・
そのまま放課後になってしまった。
「行こう?」
そう言って手を繋ぎながら向かった先は・・・
「月の異名?」
「知ってるの?」
「うん・・・まぁ・・・」
内心パニックになっていた。
どうしよう。まぁ友達だって言い張れば良いか。
「入ろう?」
「うん。」
入ると睦月が
「いらっしゃいませー。あっ・・・」
「睦月さん。この子ですよ俺の言ってた。」
なに?睦月と知り合い?
相談してたの?
冷ややかな睦月の目。
あぁ私がおびえていた現実が突き付けられる。
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