届かぬ出ぬ声。
麗子ちゃんになんて言えばいいのか自分でも分からなかった。
麗子ちゃんももしかして私と同じで大人を信じられないの?
もしかしてそうなのかな?
同じようなにおいがする・・・。
たぶん私たちみんな似てるからこんなに惹かれてるんだ。
「麗子ちゃんが一昨日睦月に対してヒドイ言葉言ったんだよね。」
「『言い訳は良いよ・・・大人の事信頼出来なかったのにいきなり信頼できるわけ無かったんだ。みんな汚い。』だってさ。俺は浮気なんて何もしてなかったのに。」
麗子ちゃんも私と同じ。
大人の愛を求めてる。
大人の愛を受けてないと感じてる。
親に愛されてるのが全然感じれなかったんだ。
「麗子ちゃん・・・大丈夫だよ。愛されてるよ。」
なぜかそう言いながら泣いてしまった。
たぶんこの一言だけで麗子ちゃんには伝わったんじゃないかな。
「優雅ちゃん?」
そう言って抱きしめてくれた麗子ちゃんが暖かくて。
「麗子ちゃん…大丈夫だよ。私は麗子ちゃんの味方だよ。だからだから。」
私は言葉に詰まってしまって。
だけど、麗子ちゃんは満足そうに微笑んでいた。
「ありがと。」
睦月さんも憐も唖然としながら見ていた。
「ほら、仲直り!!」
「ふふ・・・大好きだよ。」
睦月と麗子ちゃんはキスをしていた。
友情の絆絶対切らさないから。
あの二人の仲の良さには本当にびっくり。
だけど良いんじゃないかな?幸せでさ。
< 33 / 53 >

この作品をシェア

pagetop