届かぬ出ぬ声。
麗子SIDE

馬鹿みたいだなぁ・・・
ただ嫉妬しただけで他の男の子と遊んだりして。
しかも意地張っちゃってメールしてない・・・
こっちから送りづらいし。どうしよう。
【今はお昼休みかな?出来る?】
睦月さんからだった。やっと、やっと来た。
私は何で意地張ってたんだろう・・・
睦月の事好きなのに。馬鹿だ。
【出来る!!】
【良かった・・・。誤解解きたいから今日来れる?】
誤解だってもう分かったよ。
良いよ。そんなに無理しないで。ごめんなさい。
疑ってごめんなさい。
【もう分かってるよ。】
【だけど、はっきりさせたいから。】
【じゃあ行くね。】
そう送って私はお昼休みに戻った。
「麗子ちゃん。この前は急に帰っちゃうからビックリしたよ。」
「ごめんなさい。」
この間の男の子は人なつっこく笑いかけてくる。
裏なんて簡単に読めるんだよ。
「睦月さんの可愛い可愛い彼女って麗子ちゃんだったんだ?」
「私は・・・」
「大丈夫秘密にしてあげる。だから・・・。」
「だめです。」
この人の目を見ていると分かる。
嘘をつく。
私は人を信じられなくなってから人の感情を読めるようになった。
人の行動を見ると分かった。
私が自然に身につけた感覚。
どうしよう・・・私どうしようもなく不安な衝動に駆られてる。
人の行動を見ると感情とか読めるようになったのに・・・。
あのとき何で分からなかったんだろう。
何で睦月が本当の事言ってるって信じれなかったんだろう。
私馬鹿みたい・・・。本当に馬鹿だ。
「そう言うと思った。良いよ。ごめんね。」
その後の授業はまともに受けられなかった。
精神が一気に不安定になった。
何も理解できなかった。話なんて聞こえなかった。

必死に歩いて月の異名に向かった。
睦月さんに早く会いたかったから。
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