届かぬ出ぬ声。
優雅SIDE
いきなり麗子ちゃんからメールが来た。
[遊ぼう?]
麗子ちゃんからのお久しぶりのお誘い☆
何かあったのかな?
[私も会いたかった]
そう打って私は速攻で着替えて準備を始めた。
[じゃあ月の異名で待ち合わせね]
[OK★]
今日は憐さんとの約束も断ってあったし。
憐さんも大切だけど、友達も大事。
友達と遊べる時間が私の幸せな時間。
「優雅!!ドタバタうるさいわよ。」
上から親の怒鳴り声が聞こえる。
けど、今日はイラつかない。
大丈夫なはず。そう言い聞かせた。
「今から出かけるの!!!」
そうやって急いで出かけた。

「いらっしゃいませ~。あっ来たぁ!!」
睦月さんは少し切なそうな顔をしてにらんできた。
嫉妬してるんですか?
睦月さんのかわいい性格にふうっと笑ってしまった。
「おいおい。さっきのメールはお誘いだったのかよ!」
「出かけてくるね睦月☆」
「嫌だ~!!俺より友達が大事なのか~?そうなのか?麗子~。」
そういって麗子ちゃんの腰にからみつく睦月さんの手。
いやその恰好なにげにエロイですよ睦月さん。
と心の中で突っ込みながら私は見ていた。
「はいはい。どっちも大切なんですよ。」
「あと、睦月さん。誘ってきたのは麗子ちゃんですよ。」
何気に私はいつもの癖で追い打ちを掛けてしまった。
睦月さんはすごく泣きそうな顔をしていた。
「麗子の馬鹿~。別れるぅ・・」
「じゃあ別れますか?」
平然とそんなことを言える麗子ちゃん。
たぶんつなぎ止める自信があるから言えるんだろうな。

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