届かぬ出ぬ声。
優雅SIDE
麗子ちゃんのことも一段落して時間があったから、
今日は内緒で憐に会いに行く日にした。
知ってるのは麗子ちゃんだけ。
「一緒に行くよね~?」
「けど良いの?お邪魔じゃない!?」
麗子ちゃんは控えめな性格のようで。
私のことを考えて「一緒に行かない方が良いんじゃない」
って言ってる。けど麗子ちゃんは睦月さんに会えるし。
「だって月の異名に行くんだしね。」
「そっか、なら行くね。」
憐を驚かして見たかったから。
二人でおしゃべりしながら歩いてたらすぐ付いちゃって。
「じゃあ入ろうか。驚くかな?今日は用事があるから会えないって言ってあったから。」
「嘘付いたって怒られるよ。」
そういって麗子ちゃんと私は悪そうに笑った。
「好きだから驚かしたかったんだもん。」
そう言いながら扉を開けた。
「・・・。」
睦月さんと憐と誰?
「いらっしゃいませ~。麗子~!!今日来れたの?」
「うあぇぇぇぇあっと・・・・。」
言葉に詰まってるよ憐。その子誰?
って聞けばいいのに私の馬鹿。
私は言葉を飲み込んだ。
「優雅今日だめだったんじゃないの?」
「OKになったの。来ちゃだめだったね。帰る。」
「そんなこと無いっておいでよ。」
睦月さんは優しすぎる。あの子が消えた・・・。
他の席に移ったんだ。
「うん。そうするね。」
何も気付かないフリしてあげる。
無かったことにしてあげるから・・・。
何度も愛してるって言って。
何度もキスして・・・。私が一番だって思って。
そうやって束縛して重い女になったら他の女に行かない?
「優雅・・・。俺優雅の事愛してるよ。」
「うわっ熱!!!!羨ましいね~。けど唐突に言うんだ?男の人って浮気した後とかに言うらしいけど~。」
麗子ちゃんは憐をにらんでる。
私のこと心配してくれてるんだね。
「麗子ちゃん!?」
「だってさっきの完璧にそうじゃん。ちゃんと自分の気持ち言わないと都合のいい女で終わるよ?」
「麗子ちゃん。違うんだってさっきのは。」
そう言いかけて憐にビンタを麗子ちゃんは食らわした。
痛そ~。私は他人事に考えてしまった。
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