届かぬ出ぬ声。
麗子SIDE
ここのところ麗子は悩んでいた。
優雅からのメールが来なくなったし電話にも出なくなった。
自分のせいで傷つけてしまったのではないか?
そう思っていたのだった。
優雅ちゃん・・・。月の異名にも来なくなった。

「睦月…。憐さんどうなった?」
「毎日ここ来てグデングデンに酔って帰ってる。」
憐さんも変わってしまった。
二人の傷口を広くしてしまったのは自分なのかもと。
自分を責め続けてきた。
ただ優雅ちゃんの最後の言葉が気になった。
「ごめん…。」
って言った優雅ちゃんの気持ち。
この言葉って憐に対して言ったんじゃないの!?
違ったのかな…。
「憐さん今日も来るかな。」
「だろうな。精神安定剤代わりの酒だろうから。」
あっさり言う睦月。心配じゃないの?
そう思う麗子を睦月は優しく抱き締めた。
「大丈夫だって。修復できるから。」
睦月のその言葉は自分に言っている様でもあった。
「うん…。」
その時ドアが開き…。

「憐さん!!」
「酒。」
目が冷たい…。
悪いのはどっちでも無いんだよね。
憐さんはカウンセリングの子に無理矢理だったわけだし。
こんなに傷つくなら出会わなきゃ良かったのかな。
二人を傷つけてしまうのであれば。
「憐さん。あんまり飲まないでくださいよ。本当に別れるんですか?」
この言葉が憐さんに重くのしかかるのは分かる。
だけど、このままじゃいけないから。
どちらかが何とかしなきゃいけないから。
「うるさい。」
そういう憐さんの声は震えていた。
前までの憐さんの元気はなかった。
その時また扉が開きお客さんが入ってきた。
「憐!!!!いつまで酒付けになってるつもり!?」
完璧に怒ってる如月さんが入ってきた。
「もう、一回振られたからってなんなのさ!!あんたはいくつよ。子供みたいね。仕事に集中して貰わないと困る!!」
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