あの頃の俺はきっと嘲笑うのだろう
 


――――それがいい…


自分の素晴らしい考えに賛辞を贈りながらランスロッドは「おい、」と商人に声をかけた


「この商品は、この俺…ランスロッドが引き取ることとする」


「……は、い?」


頭を下げていた商人が聞こえた言葉に目を丸くして彼を見た
するといかにも面白そうに…、いい遊び道具を見つけた子供のように…いや、そういうには純粋さのない笑みを浮かべて見下ろすランスロッドの顔が目には言った
ヒッと商人は息を飲む


微かに「はっ」と承諾の言葉を吐くと商人は他のものを船へと戻すため、一例をすると姿を後にした


「…どういう風の吹き回しなんでしょうね?」


イラリオの口から発せられた言葉の行き先は自身の主へと向いていた


「……………」


イラリオの言葉に返事もくれず、ランスロッドは地面に横たわる漆黒を、黒の革手袋を穿めた手で担ぎ上げるとすぐ先程の酒屋に留めていた自身の馬の元へと足を進めた


そんなランスロッドを見てイラリオは心底わからない、と首を傾げた






 
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