あの頃の俺はきっと嘲笑うのだろう
まだ俺の親父が生きていた時の話になるが、


この俺、ランスロッド・カヴァデイルは4、5歳にしてまだそのころは生存していた親父…ダンガー・カヴァデイルの背を見て育ってきたが故に豪勢な夢を抱いていた


俺の親父は、海賊だ


――いや、
今となれば端々から数十、40を越える国々の政権を担っている
つまりそれらを支配したる者だった


言い様によれば、国王
又は独裁者


権謀術数、大逆無道
―――それが俺の親父だった


「財力、権力、支配
それらがこそが富」
「力による絶対服従」


それらの表裏を親父を通して包み隠さず見てきた幼少期、


俺は親父と同じ…いや、親父以上にそれらに執着していた




山紫水明、古くからある建物は年期こそ入ってはいるがどれもが目を引く美しさ
栄える都であり、親父が統べる40の国の中で一番美しい…
そこが俺の生まれた地であり故郷である、ハルシランドだ


言わずもがな、その地…いや世界にですら脅威をもたらす俺らの名を知らないやつはいない






 
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