あの頃の俺はきっと嘲笑うのだろう
「仕方ないっすよ
どうやら遥か北東…
二大海の方まで行っていたらしいし」


イラリオは顔をあげ、肩を揺らし自身の主である目の前の男を見やった


眉目秀麗、豪華絢爛という言葉がしっくりと当てはまる我が主

この地では当たり前に目にする髪色である小麦、黄色の髪色はこの男に限っては一段ときらびやかに輝く黄金、そして切れ長である瞼の奥にある深緑の…エメラルドの瞳


女男、老若構わす目を引き付ける整端な顔つき…
そんな彼が国王の座についたのは一年前、前国王が深い眠りについてからだった


そして、その頃からであった


彼の強欲が次第に強くなったのは


目の前の整端な顔つきが嫌に歪み嘲笑うように口を開いた


「はっ…
北東か…、確かあちらのモノは物覚えがよく値が高くつく…
なら別に遅着ぐらいは目を瞑ってやるか」



 
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