あの頃の俺はきっと嘲笑うのだろう
「小汚ねぇな」


船からずるずると身に纏う一枚の布を引き摺って手首に鎖をして出てきた数々のモノにランスロッドは眉を潜めた
王室育ちであり、汚いものへの嫌悪は強い彼にとっては不愉快な光景である
だが、それらの大半が良い値で売れそうなものであるからそこは軽く堪えてやった


船からぞろぞろと出てくるモノたちを見ていく中で、ピタリとその流れが止んだと思うと商人が船から出てきて手にしている縄を引いたのが見えた


ついに来たか、とランスロッドがその船の出口へと目線をやる




そして、出てきたソレに


―――目を奪われた




 
< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop