双子のキモチ《短編》
一刻も早くここを出ようととにかく走った。
キキキキキー―――
甲高い音が聞こえて来たと思ったら上から風がふいた。
そしてバタバタッという音。
コウモリ?
本当にいるの!?
なにがなんだか分かんなくて早緑くんを探す。
いた!!
「早緑くんっ!もうムリ、ダメ~」
「ごめんサク。俺サクがこういう系苦手なの知らなくて…」
「違うー!!あたしが早緑くんのこと好きだからいけないのー!カッコ悪い所見せたくなくてー!!
でももうムリッ!死ぬ死ぬ!」
思ってたことを泣きながらぶちまけるあたし。
「俺…頭の整理つかなくて…サクもっかい言って」
「あたしも何がなんだか分かんないー!!」
「ちょっ、とにかく出よう」
と言って私の手を掴んで
足早に進み出した。
安心したあたしも着いていった。