【モテ期到来】
言っとくけど、“ボールが可哀想だから”教えてやるんだ。
「…そこまで言うなら教わってあげてもいいけど?」
…可愛くねぇ…。
そう思いながら隣の打席に入る。
「いいか?最後までボール見てろよ?」
「えっ!?こわいじゃん、当たりそうで…」
「当たってねぇーじゃん…。むしろ当たった方がいいくらいだよ。」
「なっ…なんですって!?」
「ほら、ボール!ちゃんと見て!」
「えっ!?あ…はい!!」
逃げ腰でバットを振る。
「あー違う!もっとこう…腕を引いて!」
「え?どう?こう?」
「違う!あーもう!!」
イライラしながら俺は女が持つバットを後ろから一緒に握った。