【モテ期到来】
バッティングセンターに着いて、俺達を見た受付のおじさんは満面の笑みで迎えてくれた。
「いらっしゃい。今日はちょっと混んでてね…。」
そう言われてアカリと同じ打席で交代で打つ事にした。
「なんだか今日こそ打てそうな気がする!」
…その自信はどこから来るんだか…。
俺的にはアカリが打とうが打てまいが関係なかった。
ただ彼女が楽しそうに笑う、そんな姿が見たいだけ。
本人は“意地でも打ちたい”ってオーラ出してるけどね。
「…なんで当たらないの?」
「振り遅れてるからだろうな…。」
「遅れてないよ!」
「遅れてるよ。」
「遅れてない!!」
「遅れてるって!」
俺は「遅れてない!」と言い張るアカリの所に行くとバットを奪う。
「お前は俺と同じタイミングでバット振っても当たらねぇから、もっと早くモーションに入れ!」
「…なんで?」
「…女みたいにスイングが遅せぇからだよ…」
「みたい!?みたいって何!?」
俺はアカリの反応に笑いながら、彼女と同じくらいゆっくりバットを振った。