【モテ期到来】
「よくわかんないけど、納得いくまで話したら?」
そう言って体育館裏にある非常階段に腰を下ろした。
「話す事なんてないし…」
「私もよ!…私は太一君にはっきりして貰いたいの!」
「…それは紗夜香ちゃんか、アカリかって事?」
コクリと頷く紗夜香ちゃんを見て俺はなんて言えばいいか悩む。
「…どっちか言えって言うなら“アカリ”。…だって紗夜香ちゃん、意地になってるだけだろ?」
「…っ!?」
「俺が別れ話切り出したのが気に入らなかっただけじゃん。」
「…そうなの?」
「じゃなかったら俺に依存する意味が解らない。」
返答に困った紗夜香ちゃんがその場から逃げ出した。
…図星か。
「…太一、追わないの?」
「追いかけて何てフォローするわけ?」
「…わかんないけど…。」
「それに俺、今日はアカリに誘われて来たんだし、お前置いて彼女を追うとかおかしくねぇ?」
「…そっか」と呟くとアカリは俺の隣に座った。