【モテ期到来】




「…ちょっと嬉しい…」




そう言って俺の肩に頭をコツンと乗せた。




「…そう言う事言うなって。…俺本気にするし。」




「…すればいいじゃん。」




そんな事言われて、尋常じゃないくらい心臓バクバクだし。




「…じゃあ本気にするけど…」




「…ん。本気にしちゃいなよ。」




…それは…俺の事好きって事…でいいのかな?




アカリが初めて俺に対して“女”の顔を見せた。



ちょっと潤んだ瞳が俺を見上げて…




俺は衝動的に顔を近付けた…。




触れ合う寸前でアカリの長い睫毛が伏せられて…。




ドキドキしながらアカリに2度目のキスをした。




一瞬、目を開けたら“真に受けんな!”とか言われたらどうしようなんて考えたけど…。




至近距離で見詰めて恥ずかしそうに頬を染めたアカリに、俺の顔が一気に熱くなる。




…そっか。俺らには言葉とか別になくてもいいんだ。




黙ってアカリの手を握るとギュッと握り返してくれた。




それがアカリと俺の“気持ち”なんだって理解した。





   ◇◇◇◇◇◇◇◇
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